妻の実家にほとんど家具がないことに疑問を感じ、その理由を尋ねた日本人の私の知人がいました。母親の答えは、「いつ何が起きてもおかしくないので、家は身を守る要塞、暴動が起きればすぐに体一つで逃げられるように、家具はほとんど置かない」。実際数年前の暴動のときは、なぜか、刑務所の門が開け放たれ、暴徒化した囚人たちが町を襲い、略奪、レイプの限りを尽くし隣の町々は、地獄と化したそうです。そのとき、このメダン市の裏社会を牛耳っている白龍と呼ばれる親分が、手下数千人でこの町の外に人の壁っを作り、押し寄せる暴徒を体を張って防いだため、この町は救われたそうです。だから、町の人々は、政府に期待せず、体を張ってくれたこの翁を崇拝しているそうです。かつて、戦後の殺伐、混乱とした中で、義理人情で人々にある意味で一目おかれた、かつての仁義があった日本やくざを彷彿とさせる話ではないですか。政府は国民を守っててくれないから、自らの命は自らで守る。これが、インドネシア流、サバイバル術のようです。もう一つたくましくなって、帰国したいと願う今の私です。
河北

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索